農地の地番などを調べる
転用したい農地の地番や面積を無料で確認する方法があります。
一般社団法人 全国農業会議所という、農業委員会の親玉のような団体が公開している「全国農地ナビ」というサイトがあります。
そこにはほとんど全国の農地情報が公開されていて、航空写真から農地の地番や面積を閲覧することができます。
さすがに所有者までは表示されませんが、同じ所有者が耕作する農地を色分けすることもできます。
本来は農家が農業経営を拡大したいときなどに使用できるよう作られたサービスですが、転用などでも役立ちます。
青い点がピンと呼ばれるもので、農地1つに対し1つ表示されています。おそらく土地の中央に表示されるようです。オレンジ色の枠がおおよその農地の形です。
このピンをクリックすると色が変わり、下部に土地の詳細が表示されます。
所在というところに土地の地番が表示され、その下に地目(田か畑)、面積が表示されます。
さらにその下に農振法の区分が表示されます。
ここが上記の画像のように農業振興地域内・農用地区域内と表示されていると、いわゆる「農振」と呼ばれている、転用ができない農地です。
上記の情報は古い可能性があるので、実際に転用を申請する際は、登記情報公開サービスや法務局で最新の情報を確認してください。
また農振かどうかも、市町村に確認することをおすすめします。
農地転用 許可までの流れ
農地転用の一般的な案件で許可までの流れを説明します。
開発協議など、他の許認可等が絡まない場合です。
1、市町村の農業委員会事務局に申請書を提出
2、市町村の農業委員会の会議において審議
4、都道府県または市町村が許可
上記のような流れです。
都道府県が許可する場合と市町村が許可する場合があります。
市町村が都道府県から権限移譲を受けている場合、国から指定市町村の指定を受けている場合は市町村長から許可が出ます。
農地転用の許可基準は、原則、国の通知によりますが、このように市町村が許可を出す場合は、地域の実情に合わせて判断してくれる可能性が高いです。また、許可までの期間が若干短くなります。
権限移譲を受けているか、指定を受けているかは、市町村の農業委員会事務局に確認してみてください。
農地転用 許可が下りる土地下りない土地
農地転用の申請をして許可が下りる農地と下りない農地があります。
農地は3種類に区分されます。
下記がそれぞれの区分とよく使用される基準です。
・第1種農地
おおむね10ヘクタール以上の一団の農地の区域内にある農地
耕地整理がされた農地
優良農地
・第2種農地
宅地化が見込まれる区域内にあり、おおむね10ヘクタール未満の農地の一団の区域内にある農地
市役所(支所含む)等からおおむね500メートルの区域内にある農地
・第3種農地
街区に占める宅地の割合が40パーセント以上の中にある農地
四方を宅地、雑種地に囲まれた農地
市役所(支所含む)等からおおむね300メートルの区域内にある農地
2以上の市役所等・公共施設(学校等)・公益的施設(病院等)からおおむね500メートルの区域内にあり、かつ幅員4メートル以上の公道に面しており、かつ公道に上水道・下水道・ガス管のうち2つ以上の管が埋設されていること
第1種農地は原則不許可(例外あり)
第2種農地は代替地(代わりになる土地)がない場合は許可
第3種農地は原則許可
です。
第2種農地、第3種農地の場合は立地という面では許可になるということです。
第2種農地は代わりになる土地がないということを説明しなければなりません。
この基準というのは市町村によって差があります。
例えば自分の土地に家を建てる場合、農地以外に土地を持っているときは、その土地が使えない理由を説明できれば代替地がないということになります。
他人の土地を買う場合は、農地以外に候補地があったが、接道条件や日照条件が悪いから選定しなかったというような理由付けができればOKです。
なお、これらの農地の区分とは別で、市町村が策定する農業振興地域整備計画において農用地と指定されている場合があります。
これはいわゆる「農振」とか「青地」と呼ばれるもので、農地の転用申請をする前に、除外をする必要があります。
この除外ができる基準については次回解説したいと思います。